石黒です。
今日は、甲状腺についてお話をします。
甲状腺は、私たちの健康にとって非常に重要な役割を果たす臓器です。エネルギー代謝、熱産生、タンパク質合成、神経発達など、体内の多くの機能に影響を与える甲状腺ホルモンを分泌します。
甲状腺ホルモンというのは、全ての細胞にとって大事なものであったり欠かすことができないホルモンです。
ここが炎症を起こすと、甲状腺ホルモンがうまく出ないということになっていきます
炎症が続くことで甲状腺の組織が壊れて結果的にがんが増えることに繋がります。
最近、甲状腺のがんが増加しています。
甲状腺がんの大きな要因の一つに内分泌かく物質というのがあります。
内分泌攪乱物質(通称:EDC)は、環境中に存在する化学物質で、ホルモンの正常な働きを妨害する可能性があります。近年、EDCの曝露と甲状腺機能障害や甲状腺がんのリスク増加との関連性が指摘されています。
EDCとして一番有名なのは、フッ素の化合物であるPFASです。
PFASは、フッ素を含む化学物質の一種で、テフロン加工のフライパンや防水スプレー、様々な食品の包装品や家庭用品、工業用品などに広く使用されています。PFASは環境中に分解されず、生物濃縮されるため、人体への蓄積が懸念されています。研究によると、PFASの濃度が高い人は、甲状腺がんのリスクが56%増加することが示されています。
一旦できると永久にそこに存在し続けて、しかも動物の中で濃縮されてくるので、永遠の化学物質と呼ばれていたりします。決して分解されることなくそのまま環境に存在し続けてしまいます。人の体内では、PFASの半減期は2年から5年と言われています。2年から5年で半分になるということは、ほぼそのままいるのと一緒ということです。
PFASは油汚れや、水を弾く性質があるので、こびりつきにくい調理器具等によく使われています。
また、汚れにくくしたような布地や、消火用の発泡剤の中にも使われています。PFASの一つにPFOAというものがありますが国際がん研究機関によって、明らかに発がん性がある可能性があるということで、発がん物質と認定されていたりします。
がん以外にも例えば、他の甲状腺の疾患ももちろんですが、潰瘍大腸炎、精巣がん、腎臓がん、それからコレステロールの値、免疫反応の変化、生殖の障害というのがこれまで、PFASと関連があるというふうに疑われています
だからなるべくEDCの曝露を減らす必要があります。
では、EDCの曝露を減らすにはどうすればよいのか?
EDCへの曝露を減らすためにできること
- テフロン加工のフライパンではなく、ステンレス製や鉄製などのフライパンを使用する
- 家具や建材など、難燃性化学物質を含む製品の使用を避ける
- パーソナルケア用品や化粧品は、天然由来の成分を使用する
- 外食を控えて、自宅で調理する機会を増やす
完全にゼロにすることは難しいですが、こういった方法で避けることができます。
甲状腺は健康維持に重要な役割を果たす臓器です。
EDCへの曝露は、甲状腺機能障害や甲状腺がんのリスクを高める可能性があります。
リスクは貯蓄や投資と一緒で複利で増えてくるものです。
日々の生活の中で、EDCへの曝露を減らすための対策を意識することが大切です。
※この記事は、下記の動画を要約したものです。
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