がんリスクを下げる!オメガ3&6による正しい油の摂取方法

石黒です。


今日は食事でがんを予防するための正しい知識についてのお話です。

食事ががんを予防するという話は、興味深いですよね。

この話題について、どのような証拠やエビデンスが存在するのか、少し話したいと思います。

がん予防に関しては、実際にはもう長い間、疫学的な研究が行われており、様々な提言がされています。これらのアドバイスに従えば、基本的にはがんのリスクを下げることができるはずです。しかし、日本ではがんの数が増え続けているのが現状です。これは、提言があまり守られていない、またはそれほど重要だと思われていないからかもしれません。

特に、特定の栄養素や植物栄養素が腫瘍の増殖を抑えるという研究結果が多数出ています。例えば、ボストンにあるベス・イスラエル・ディーコネス・メディカルセンターでの研究では、オメガ3脂肪酸が腫瘍の増殖を67%も抑えるというデータがあります。

オメガ3脂肪酸って何?

オメガ3脂肪酸について聞いたことはありますか?

オメガ3とは、脂肪酸の一種で、特に3番目の位置に特徴的な形の変異があるものです。このオメガ3には、EPAやDHAといった、聞いたことがあるかもしれない名前が含まれています。特にDHAは、魚に多く含まれており、「頭が良くなる」と言われることもありますね。サプリメントや食品にもよく使用されています。これがオメガ3脂肪酸の代表的な例です。

それから、特定の植物の種に含まれるALAというオメガ3脂肪酸があります。アマニが有名ですね。オメガ3脂肪酸が健康に良いと言われる一つの理由は、腫瘍の増殖を抑える効果があるからです。しかし、オメガ3だけでなく、オメガ6という脂肪酸もあり、この二つはよく比較されます。オメガ6は、私たちが普段使うサラダ油に多く含まれています。大豆やひまわり、綿実油、コーン油など、植物の種から取れる油にはオメガ6が多いです。

多くの人が間違えている!オメガ3とオメガ6、悪い油?よい油?

健康に気を使う方なら、オメガ6とオメガ3の脂肪酸について聞いたことがあるかもしれません。しかし、オメガ6が悪い油でオメガ3が良い油だと思っている方もいるかもしれませんが、実はどちらも重要です。大切なのは、この二つのバランスです。現代の食生活では、オメガ6が多すぎて、オメガ3が不足しがちです。

特に、サラダ油のようなオメガ6を多く含む油の使用が増えたことで、過去100年でその消費量は3倍に増えました。それに対して、オメガ3の摂取量は減少傾向にあります。結果として、オメガ6とオメガ3の比率がどんどん広がっています。

ですから、現代ではオメガ3脂肪酸を意識して摂取しなければ、不足しがちになります。

オメガ3脂肪酸が免疫機能を強化

そして、動物実験で見つかった興味深いことがあります。

オメガ3脂肪酸が免疫の機能を強化し、免疫療法において重要な役割を果たしています。免疫療法とは、抗がん剤を使わずに、免疫系を使ってがん細胞を攻撃する治療方法です。今では人間にも実用化されています。

この実験では、動物に腫瘍を増殖させる前に、10日間、3種類の食事を与えました。一つは普通のご飯、二つ目はオメガ3を多く含む食事、三つ目はオメガ6を多く含む食事です。その後、腫瘍を増殖させてから、治療を行いました。治療には、免疫療法や炎症を取る治療、そしてその両方を組み合わせた治療がありました。つまり、3種類の食事と4種類の治療を組み合わせて、どうなるかを見たのです。

結果として、特にオメガ3脂肪酸を含む食事をしてから治療を受けた場合が、腫瘍の増殖を一番抑えることができました。オメガ3脂肪酸をたくさん含む食事をした後にがん治療を受けたマウスは、普通の食事をして治療を受けなかったマウスに比べて、腫瘍の増殖が67%も抑制されました。つまり、腫瘍の増殖が3分の1に抑えられたのです。逆に、オメガ6をたくさん含む食事をしてから治療を受けても、腫瘍の増殖を抑えることはできませんでした。

興味深いデータ:オメガ6と悪性腫瘍の関係

実際に、オメガ6脂肪酸をたくさん摂ると、悪性腫瘍が増殖しやすくなるという研究結果が以前からいくつか出ています。1990年代には既にそういったデータがありました。最近では、オメガ6脂肪酸を多く含む油で肉や魚を調理すると、ヘテロサイクリックアミンという物質が増え、それが閉経後の女性の乳がんリスクを上げることが分かっています。また、オメガ6の摂取量が多いと乳がんや前立腺がんのリスクが高まるという研究もありますし、オメガ6の比率が高い人は、前立腺がんの治療効果が低いというデータもあります。つまり、普段どのような油を摂るかによって、がんの増殖を抑えられるかどうかが変わってくるのです。

多くの人が、食事に含まれる油ががんにどのような影響を与えるかについて、あまり気づいていないのです。ですから、がんを予防するため、またはがんを患っている場合に腫瘍の増殖を抑えるために、どうすればよいかということが重要です。オメガ3が足りないと、オメガ6が多い方が良いかもしれないと思うかもしれませんが、サプリメントを取るよりも、もっと重要なのはオメガ6の摂取量を減らすことです。

食事で気を付けなければいけないオメガ3と6の摂取方法

オメガ6は必要な油ですが、0にする必要はありません。ただ、普段の食事でオメガ6が不足することはほぼありません。ですので、オメガ6の比率を下げるためには、普段使う油を変える必要があります。質の良い油を使って、サラダ油の使用量を減らすこと、それに、外食の頻度を減らすことも大切です。外食で使われる脂もほとんどオメガ6なので、がん予防の観点からも、外食を減らすことは重要です。オメガ3に関しては、アマニ油などを摂取することで体内のバランスを整えることができますが、サプリメントよりも食事から取るように心がけることが大切です。

オメガ3が含まれている食品といえば、海藻やワカメなどの海藻類、ナッツ類の中でも特にクルミ、そしてアマニやチアシード、ヘンプシードなどの植物の種に多く含まれています。これらの食品は、オメガ6よりもオメガ3の比率が高いので、これらを少し多めに取ることで体内の油のバランスを整えることができます。日常使う油ががんのリスクに大きく影響を与えることを知って、食生活をもう一度見直してみてください。

※この記事は、下記の動画を要約したものです。
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