バリウム検査の3つの問題点と胃カメラとの違い

石黒です。

会社の健康診断を受けるとき、バリウム検査をしている人も多いと思います。

しかし実はバリウム検査は、労働安全衛生法で義務付けられている検査の中には含まれておらず「任意」です。

胃がんを発見するための検査ではありますが、実はさまざまなデメリットがあります……。

今日はバリウム検査のデメリットをお伝えします。

▼バリウム検査のしくみ

バリウム検査では、硫酸バリウムという造影剤と、ガスを発生させる粉である発泡剤を一緒に飲みます。

それが水や胃酸に触れることで二酸化炭素が発生して胃の中で膨らみ、胃や十二指腸の粘膜にくっつきます。

バリウムに病変が付着して浮かび上がり、胃がんや食道の病気などを発見できる検査です。

▼バリウム検査の歴史

バリウム検査は1960年代に二重造影法として生まれました。

当時は胃カメラの技術もまだ進んでおらず、また、女性に多いスキルス胃がんは胃カメラでなかなか見つからなかったので、バリウムが重宝されていました。

今は胃カメラも進歩し、血液検査によって病気のリスクを調べることもできるようになったのでバリウムの必要性が低くなっています。

▼バリウム検査の3つの問題点……

バリウム検査には3つの問題点があります。

①精度が低い……
胃の粘液が多い人はバリウムが張りつかず、病変がまったく見つからないことがあります。
一方で、萎縮が進んで胃の表面がつるつるになっていると、何もないのに引っかかる人もいます。

②被ばく量が多い……
近い距離で、枚数をたくさん撮るため、胸部レントゲンやCTより被ばく量が多くなってしまいます。

③バリウムが詰まる危険性……
毎年、一定の割合でバリウムが詰まって緊急手術になったり、腸閉塞、便秘、虫垂炎(盲腸)になったりする方がいます。

▼胃カメラや血液検査を利用しましょう

バリウム検査は精度が低い上に、病変を見落とすリスクや命に関わるトラブルに発展する危険性があります。

リスクとメリットのバランスが非常に悪い検査なので、ぜひバリウム以外の胃カメラや血液検査を選択してくださいね。

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